個人情報を守る事は、個人の安全を守る事よりも大事?


 

最近、医療において

個人情報の保護が声高に叫ばれている。

患者を守るために彼らの情報を守る事は

当然だ。

と思うが…。

 

先日、こんなことがあった。

 

ある医師の母が朝方調子悪くなった。

近所の人に助けてもらい、

“○○病院に救急車で向かう”

という情報を二時間遅れで、

離れて住んでいるその彼は知った。

 

“病院に向かわなきゃ”

 

病院に向かう前に、

本当に自分の母親がその病院にいるかどうか

確認することにした。

 

ネットで、その病院の名前から電話番号を調べて、

そこに電話してみる。

 

“そういった患者さんはいませんね、

他の病院と間違えていませんかね?”

と丁寧に言われた。

 

“あれっ、もしかして受け入れを断られて

他の病院に行ったのだろうか?“

と思い、119番して救急隊に聞いてみた。

すると、

 

“個人情報の保護のために、そういったことについては

答えられません“

とつれない返事。

 

“教えてくれないんだ…”

 

自分の母親がどんな状態で、

どこに行ったのかわからなくなった。

 

連れて行ってくれた近所の人の連絡先は知らなかった。

 

母親の家にかけてももちろん誰も出ない。

 

もう一度、ネットでその病院を探して見ると

なんと同じ名前の病院がもう一つあった。

 

そこで、自分が病院を間違えていたことに気付き、

そこに電話をかけてみる。

 

すると、

 

“個人情報の保護のために、

そういった質問には答えられません”

 

そして、

 

 “直接いらしていただけたら、お答えします。”

 

“なんだそりゃ…”

 

そんなわけで、

とにかく、心配なのでとりあえず、

その病院に向かった。

 

そして、その病院に着いて

受け付けで聴いてみると

 

“その方なら、もう帰りました”

 

“…”

 

来る必要ある?

 

自分の母親は、思った以上に軽症だったらしい。

 

なんとも、人騒がせな話で病院と救急隊には

大変なご迷惑をお掛けしたわけだが‥、

 

救急と病院の対応にはちょっと疑問が残った。

 

もし、母親が本当に重症であったとしたら?

 

そして、どこの病院にいったかわからなかったとしたら?

 

やはり、教えてほしい。

 

ちなみに、最初に間違えて電話をかけた病院は

愛知県にあった(普通気づくはずの場所)。

そこの受け付けの人は教えてくれた。

“いらっしゃいませんよ”と

 

二番目の病院は、東京であった。

“個人情報の保護で教えられません”と

 

果たして、どっちの病院が

患者の身になって行動しているのだろうか?

 

個人情報の保護という名のもとに、

面倒臭い業務を避けているだけな気がするのは

私だけだろうか?


渇いた世界になったものだ。