安いガソリンとおいしい水

“安いガゾリンとおいしい水”というお話

 

先日、温泉に行った時にガソリンを入れて驚いた。

なんとリッター100円だ!

信じられないくらい安い!

そして、私の左手には“南○○○○の天然水の500mlのボトル”

販売機にて110円で買ったやつ。

あれっ、ということは“この水はガソリンの2倍の値段!?”

驚愕!

太古の植物が数千年の月日を経て変化し、

地中深くから掘り出され、

成分ごとに精製され、

数千キロの海を渡り、

長い道のりを運ばれたガソリンより、

日本国内の湧き水を汲んだお水の方が2倍高い!

これって、どう考えたって“常識では考えられない”。

 

そう、“常識なんて馬鹿げているのだ”

我々が常識と思っていることは

ただ単に世間にそういうように吹聴された事に過ぎない。

 

“ガソリンが安いとか高いとか、 本当の事は、私たちは知らない”。

ただ単に、世間がいまガソリンが安いといっているから、

“あぁ、いまガソリンが安いんだ”と思うだけだ。

(100円は確かに安いと思うが、本当の事をしっているのはガソリンを生産する極一部の人だけだ)

 

一方、おいしい水についていえば、

いつの間にか我々は

“ペットボトルに入っている飲み物は、100円ぐらいする”と

思い込んでいる。

 

かつて、私が子供のころ、ペットボトルの水なんて存在しなかった。

だって、蛇口をひねれば、いつでも“美味しい水”が出てきたからだ

はじめて、それらしいのが登場したのは、“ペットボトルのお茶”だ。

はじめは、販売機で“お茶”なんて買わなかった。

コーラが100円するのはわかるが、

“お茶が100円なんて高すぎる”と感じたからだ。

でも、いつの間にか、

100 円のお茶に満足するようになってしまった。

慣れって怖い。

その成功に、味をしめた飲料メーカーは、

今度“水”を売り始めた。

南○○○○〜とか、○○の名水とかいかにも

我々が納得しそうな枕詞をつけて。

そして、我々は、まんまと

ガゾリンの2倍もするような水を買うようになった。

もちろん、砂漠の真ん中だったら、

ガソリンの2倍の値段でも構わない。

でも、水の豊かな日本において、

500ml-100円の水は適正価格なのだろうか?

 

我々は、普段、そんなことを全く考えずに

ただただ世間の流される情報に疑問を持たずに生きている。

ちょっと、怖い。

別に私は、飲料メーターを非難しているわけでも、

飲料メーカーの企業努力を否定しているわけでもない。

そして、今後も“おいしい水”買うであろう。

ただ、私はその“おいしい水のわけ”を知らずに

買っていた自分が恐ろしいと感じた。

 

500ml-110円の水、

飲料メーカーにとってこれほど“おいしい水”はないであろう。